
適合リノベーション住宅は、検査から工事、報告までを第三者基準でそろえた仕組みです。
中古購入や住み替えでの不安を、小さな見落としまで減らします。
本記事は適合リノベーション住宅のメリット>を、R1・R3・R5の違いとともに、選ぶ時の確認ポイントを早見表で整理します。
保証・住宅履歴・省エネ・資産性の観点を分かりやすく解説し、あなたの条件に合う制度が見つかるようにお手伝いをいたします。

| 項目名 | R1(マンション専有部) | R3(マンション一棟) | R5(戸建住宅) |
|---|---|---|---|
| 対象住宅 | 中古マンションの専有部 (住戸内のみ) |
マンション全体の共用部・構造含む一棟 | 戸建て住宅全体 (木造・RC問わず) |
| 主な検査内容 | 給排水・電気設備・内装・建具・断熱・結露対策など | 構造体・配管ルート・外壁・防水・共用設備など | 構造耐力・基礎・屋根・断熱・外壁・配管など |
| 技術基準 | 協議会基準+既存住宅状況調査 (国交省基準)準拠 |
R1に加え、長期修繕・管理体制・共用部劣化度の確認 | R1に加え、耐震性・劣化等級・断熱性能の確認 |
| 保証内容 | 1年~2年のアフター保証 (設備・内装など) |
一棟全体に対する保証と履歴情報の登録義務 | 戸建全体の保証+瑕疵保険併用可 (事業者による) |
| 履歴情報登録 | 登録義務あり (工事記録・検査結果を保存) |
一棟全体・住戸ごとに履歴情報共有 | 物件単位で登録。将来の売却時に提示可能 |
| メリット | 第三者検査による品質保証・安心感。 中古購入時のリスク低減。 |
管理・修繕履歴が明確。 住人全体の安心感と資産価値維持に寄与。 |
耐震・断熱・保証の総合力が高く、 長期的な住まいの信頼性を確保。 |
| 想定利用者 | 中古マンションを個人で購入予定の方 | 管理組合・デベロッパー・全体改修を行う事業者 | 戸建てリノベを検討する個人・建築会社・オーナー |
| 関連制度・補助 | フラット35リノベの適合証明取得に活用可能 (※別制度) |
長期優良化リフォーム推進事業など補助対象になる場合あり | 省エネ改修補助・耐震改修補助と併用可能 |
| 注意点 | 表示区分「R1エコ(旧エコキューブ)」など最新基準に留意 | 共用部の検査・記録範囲は管理組合の協力が必要 | 施工業者の登録・検査報告が必須。 地域ごとに対応事業者が異なる。 |
対象住宅:中古マンションの専有部
(住戸内のみ)
主な検査内容:給排水・電気設備・内装・建具・断熱・結露対策など
技術基準:協議会基準+既存住宅状況調査
(国交省基準)準拠
保証内容:1年~2年のアフター保証
(設備・内装など)
履歴情報登録:登録義務あり
(工事記録・検査結果を保存)
メリット:第三者検査による品質保証と安心感。
中古購入時のリスク低減。
想定利用者:中古マンションを個人で購入予定の方
関連制度・補助:フラット35リノベの適合証明取得に活用可能
(※別制度)
注意点:表示区分「R1エコ(旧エコキューブ)」など最新基準に留意
対象住宅:マンション全体の共用部・構造含む一棟
主な検査内容:構造体・配管ルート・外壁・防水・共用設備など
技術基準:R1に加え、長期修繕・管理体制・共用部劣化度の確認
保証内容:一棟全体に対する保証と履歴情報の登録義務
履歴情報登録:一棟全体・住戸ごとに履歴情報共有
メリット:管理・修繕履歴が明確で、
住人全体の安心感と資産価値維持に寄与。
想定利用者:管理組合・デベロッパー・全体改修を行う事業者
関連制度・補助:長期優良化リフォーム推進事業など補助対象になる場合あり
注意点:共用部の検査・記録範囲は管理組合の協力が必要
対象住宅:戸建て住宅全体
(木造・RC問わず)
主な検査内容:構造耐力・基礎・屋根・断熱・外壁・配管など
技術基準:R1に加え、耐震性・劣化等級・断熱性能の確認
保証内容:戸建全体の保証+瑕疵保険併用可
(事業者による)
履歴情報登録:物件単位で登録。
将来の売却時に提示可能
メリット:耐震・断熱・保証の総合力が高く、
長期的な住まいの信頼性を確保。
想定利用者:戸建てリノベを検討する個人・建築会社・オーナー
関連制度・補助:省エネ改修補助・耐震改修補助と併用可能
注意点:施工業者の登録・検査報告が必須。
地域ごとに対応事業者が異なる。
内部リンク:
フラット35リノベの適合証明とは?リフォームで利用できる条件と手続き方法
外部リンク:
一般社団法人 リノベーション協議会|適合リノベーション住宅制度
適合リノベーション住宅とは、リノベーション協議会が定める品質基準を満たした住まいのことです。
検査・工事・報告のすべてを第三者機関が確認し、安心して中古住宅を選べる仕組みになっています。
R1・R3・R5という区分は、住宅の種類や検査範囲によって分かれています。
この制度は、一般社団法人リノベーション協議会が運営し、構造・断熱・設備などの性能を客観的に評価します。
登録事業者のみが検査を行い、結果は協議会のフォーマットで記録されます。
これにより、物件の品質を「見える化」し、購入者やリノベーション利用者が安心できるようになっています。
R1はマンションの専有部、R3はマンション一棟、R5は戸建て住宅を対象にしています。
どの区分も共通して、建物の劣化状態や安全性を一定の基準で評価しますが、検査範囲や保証内容が異なります。
この違いを理解することで、自分の物件に合う適合住宅のタイプを選びやすくなります。
この制度は、中古住宅の購入時だけでなく、すでに所有している住宅をリノベーションする場合にも適用可能です。
たとえば中古マンションを買ってR1で検査を受けるケースや、戸建てをR5基準で改修するなど、幅広く利用されています。
購入・改修のどちらでも、品質が客観的に保証される点が大きな魅力です。

R1は、中古マンションの専有部分を対象とする区分で、住戸内の安全性と快適性を確認する検査が中心です。
水まわりや電気、内装といった日常生活に直結する部分のチェックが特徴です。
R1の検査では、給排水・電気設備・建具・断熱・結露などが詳細に点検されます。
リノベーション業者の判断だけでなく、第三者の視点が入ることで施工品質が明確になります。
これにより、購入後に設備不良や施工ミスが見つかるリスクを大きく減らせます。
R1住宅は、工事内容や検査結果を履歴情報として登録し、将来的に誰でも確認できるようにします。
また、1〜2年のアフター保証がつき、施工後も安心して暮らせます。
この仕組みが、中古マンション購入時の「隠れた不具合が不安」という悩みを減らすのです。
R1には、省エネ性能を高めたR1エコ(旧エコキューブ)という区分があります。
断熱材や窓性能、給湯機の効率などを基準化し、光熱費の削減や室内環境の改善につながります。
将来的にエネルギーコストを抑えたい方には、この区分の住宅が特におすすめです。

R3は、マンション全体の構造・共用部を対象とした制度です。
住戸単位ではなく、建物全体を検査し、長期的な維持管理や資産価値の向上を目的としています。
外壁や屋上防水、エレベーター設備などの共用部分までを含めて検査します。
この全体検査により、個別のリフォームでは把握できない建物全体の健康状態が明確になります。
結果として、住人全体の安全性と快適性を高めることにつながります。
R3では、各住戸だけでなく共用部の修繕・管理履歴も記録され、入居者全員で共有されます。
これにより、「どこをいつ修繕したか」が可視化され、長期修繕計画が立てやすくなります。
結果的に、建物全体の資産価値を維持することができます。
R3の取り組みは、長期優良化リフォーム推進事業などの補助金制度とも併用可能です。
制度を活用すれば、管理組合の修繕費負担を抑えながら、建物の性能向上を実現できます。
行政支援を受けることで、入居者全体の費用負担を軽減できる点もR3の魅力です。

R5は戸建住宅向けの制度で、耐震性・断熱性・劣化対策など、建物全体を総合的に評価します。
住宅性能の確保と、長期的な安心を両立する仕組みが整っています。
R5では、基礎・屋根・外壁・断熱・配管など、建物の構造全体をチェックします。
耐震基準に適合しているかを確認し、必要に応じて補強工事を提案します。
断熱や結露対策も含まれており、快適性と省エネ性を両立した住まいを目指せます。
R5住宅は、工事保証に加えて住宅瑕疵担保責任保険を併用できる点が特長です。
施工上の欠陥や見えない不具合があった場合でも、補償が受けられるため安心です。
これにより、長期間にわたって住まいの品質を維持できます。
R5に対応するためには、登録された施工業者が必要です。
地域ごとに登録状況が異なるため、リノベーションを検討する際は対応業者を事前に確認しましょう。
適切な業者選びが、安心してリノベーションを進める第一歩になります。

制度を理解し、自分に合うタイプを選ぶことで、将来の安心と資産価値を守ることができます。
ここでは、主なメリットと注意点を整理します。
適合リノベーション住宅の最大の利点は、全国で共通の品質基準があることです。
どの地域でも同じルールで検査・保証されるため、安心して中古住宅を選べます。
さらに履歴情報の登録により、売却時の評価も高まりやすくなります。
履歴情報制度によって、工事内容・検査結果・保証状況を一元管理できます。
中古住宅購入後に「どこを直したかわからない」といった不安を解消できます。
将来的なリフォーム計画を立てるうえでも、重要なデータベースになります。
住宅金融支援機構のフラット35リノベは、融資条件を満たすための適合証明制度です。
一方で、適合リノベーション住宅は品質・保証の観点から評価する制度です。
両方を併用すれば、安心と経済的メリットをバランスよく得られます。
→詳しくは「フルリノベの住宅ローン活用術|2025年フラット35リノベの要件・手続き・注意点について解説します」をご覧ください。
適合リノベーション住宅は、単に検査を通した住宅ではありません。
<strong>第三者が品質・保証・履歴情報を一体で管理する仕組み</strong>で、
中古住宅でも「安心して暮らせる基準」を提供してくれます。
R1・R3・R5という3つの区分は、住宅の種類に応じて最適な検査と保証を組み合わせています。
マンションの専有部から一棟全体、そして戸建て住宅まで、
それぞれのライフスタイルに合った選択ができることが大きな魅力です。
特に、履歴情報の登録や省エネ対応のR1エコなど、
<strong>これからの時代に求められる「見える品質」「長く使える住宅」</strong>という視点が盛り込まれています。
また、フラット35リノベや長期優良化リフォームなどの補助制度と併用すれば、
費用負担を抑えながら、より高品質なリノベーションを実現できます。
中古住宅の購入や改修を検討している方は、
まずこの適合リノベーション住宅制度を知ることが、後悔しない住まい選びの第一歩になるでしょう。
