

実力派の店舗設計会社は、実績の数ではなく、「コンセプトを言葉と図面にできるか」「集客の動線まで設計に組み込めるか」「見積もりと進行が透明か」の3点で見極められます。そのうえで、会社の「タイプ」(設計事務所・施工会社・設計施工一括)が自店に合っているかを先に確認すると、比較の手間が大きく減ります。この記事では、依頼先3タイプの違い、会社を比べる7つの軸、実績・許可の確認方法、相見積もりの進め方をまとめました。理想のコンセプトから合う依頼先タイプを判定できる依頼先診断もご用意しています。会社探しの前に、まずお試しください。
📌 この記事でわかること
目次
実力派の店舗設計会社とは、オーナーの理想を具体的な空間に変え、開業後の集客や運営まで見据えて設計できる会社のことです。見た目のデザインが美しいだけでは、席数や動線、バックヤード、照明計画、入口や看板の見え方といった「お店として機能する設計」が抜け落ちることがあります。次の3つの条件で見ていくと、実力を見分けやすくなります。
| 条件 | どんな会社か | 確認の仕方 |
|---|---|---|
| ① コンセプトを言語化し、図面に落とせる | 理想・ターゲット・客単価・提供したい価値を整理し、「一文で言えるコンセプト」にまとめてから設計に入る | 初回の面談で、こちらの話をどれだけ質問で掘り下げ、言葉にまとめ直してくれるか |
| ② 集客の動線まで設計に組み込める | 入口・ファサード・看板・視認性、席配置と回転、滞在時間、写真を撮りたくなる場所などを、売上の仕組みとして設計する | 提案に「なぜその配置か」の理由と、想定するお客様の動きの説明があるか |
| ③ 見積もり・工程・品質管理が透明 | 「一式」ではなく内訳を示し、別途工事・追加費用の条件、工期、現場の管理体制を説明できる | 見積書の内訳、現場を誰が管理するか、変更が出たときの対応ルール |
この3条件は、どれか一つだけが突出している会社よりも、三つのバランスが取れている会社のほうが、開業後まで含めて安心です。比較は、会社を探し始める前の「理想の整理」から始まります。全体の流れは次のとおりです。
STEP1
理想の
コンセプト整理
STEP2
依頼先
タイプを決める
STEP3
候補3〜4社に
相談
STEP4
提案と見積もりを
比較
STEP5
契約
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店舗設計の依頼先は、「設計のみを担う会社」「施工会社」「設計から施工まで一括で担う会社」の3タイプに分かれ、どれが良いかは店の状況で変わります。設計と施工を別の会社に分けるか、一社にまとめるかで、費用の考え方、比較のしやすさ、責任の所在が変わります。
| タイプ | 強み | 注意したい点 | 向いている店 |
|---|---|---|---|
| 設計のみを担う会社 (設計事務所・デザイン会社) |
コンセプトやデザインの提案力。設計内容を第三者の視点で確認でき、複数の施工会社から見積もりを取って比較しやすい | 設計と施工で契約が分かれ、窓口が増える。設計料が別に必要で、工程の調整に手間がかかる | 世界観や独自性を作り込みたい店、費用の妥当性を比較して決めたい店 |
| 施工会社 (工務店・内装工事会社) |
工事費のコスト調整と、現場対応のスピード。方向性が固まっている工事や、標準的な仕様の工事に向く | デザインや集客設計の提案は限られることがある。設計・図面の対応範囲を事前に確認する必要がある | 予算とスピードを優先する店、内装の方向性がすでに固まっている店 |
| 設計施工一括の会社 (設計から施工まで自社で対応) |
窓口が一つで話が早く、設計の意図が現場に伝わりやすい。工期の調整や、引き渡し後の対応先が分かりやすい | 設計と施工を分けた相見積もりが取りにくい。設計内容や工事費の妥当性を、自分でも確認する視点が必要 | 開業日が決まっていて、設計から施工まで一社に任せたい店 |
ポイントは、「どのタイプが優れているか」ではなく、自分の店が何を最優先にするかで選ぶことです。世界観づくりを最優先にするのか、コストとスピードなのか、窓口をひとつにして任せたいのか。優先順位が決まると、候補の会社も自然に絞れます。なお、同じタイプの中にも、得意な業態や規模、デザインの傾向には差があります。タイプはあくまで最初の絞り込みです。
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内装デザインの費用と、業者による費用の違い・選定のポイントを比較しています。費用面から会社を比べたい方におすすめです。
6つの質問に答えるだけで、あなたの店に合いやすい依頼先タイプと、その会社にまず確認したいことが分かります。「こだわり」「予算」「期間」「窓口」の考え方を整理してから会社を探すと、比較の軸がぶれません。
※診断は、依頼先3タイプの一般的な傾向をもとにした簡易モデルです。どのタイプになった場合でも、次の章で紹介する7つの比較軸で、候補の会社を確認してください。
会社の比較は、価格だけでなく7つの軸で行うと、実力の差が見えやすくなります。面談では、次の質問を投げかけてみてください。答え方から、その会社の考え方や進め方が分かります。
| 比較の軸 | 見るポイント | 面談で聞きたい質問 |
|---|---|---|
| ① コンセプトの理解力 | 理想を掘り下げ、言葉にまとめ直してくれるか | 「私の店のコンセプトを、一文で言うとどうなりますか?」 |
| ② 集客を意識した設計 | 入口・ファサード・動線・席配置・照明を、集客と運営の視点で説明できるか | 「この配置は、お客様のどんな動きを想定していますか?」 |
| ③ 実績の中身 | 同じ業態・規模の事例があり、課題と工夫の説明があるか | 「近い条件の事例と、そこで工夫した点を教えてください」 |
| ④ 体制と責任範囲 | 設計者が現場に関わるか、窓口の担当者が誰か | 「設計と現場の担当は誰で、変更が出たときは誰に相談しますか?」 |
| ⑤ 見積もりの透明性 | 「一式」の内訳、別途工事、追加費用の条件が明確か | 「別途工事になりやすい項目と、追加費用が出る条件を教えてください」 |
| ⑥ 法規・許可・届出への対応 | 許可や登録の状況、保健所・消防署などへの事前相談の経験があるか | 「保健所や消防署との事前相談は、どこまで対応してもらえますか?」 |
| ⑦ 工程管理とアフター対応 | 開業日から逆算した工程を示せるか、引き渡し後の窓口が明確か | 「引き渡し後の不具合は、どこに連絡し、どう対応しますか?」 |
7つすべてで満点の会社を探す必要はありません。あなたが最優先にしたい軸(たとえば①と②)を先に決め、その軸で最も納得できる会社を選ぶのが現実的です。診断結果のタイプと合わせて、優先する軸を2〜3つ決めておくと、提案を比べるときの判断が早くなります。
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飲食店の内装設計を依頼する際の、企業選びのチェックポイントと費用の実態を解説しています。業態別に確認したい方はこちら。
実績は「件数」よりも「自店に近い条件での中身」で見て、許可や登録は公的な情報で確認するのが確実です。ここでは、確認の具体的な方法を3つに分けて整理します。
施工事例は、写真の見栄えだけで判断せず、次の4点を確認します。①業態と坪数が近いか、②予算帯や工期が示されているか、③課題に対して何を工夫したかが書かれているか、④開業後の状況(集客や運営)にまで触れているか。条件と工夫が説明されている事例ほど、あなたの店でも同じ品質が期待できます。
建設業法では、建築一式工事以外の工事について、請負代金が500万円未満(消費税を含む)の軽微な工事のみを請け負う場合は、建設業許可が不要とされています。内装の仕上げ工事は、一般に建築一式工事以外の工事として扱われるため、契約金額が500万円以上になりそうなときは、許可の有無と許可番号を確認しましょう。許可番号は、国土交通省の検索システムで確認できます。
ただし、許可がないことが直ちに実力不足を意味するわけではなく、許可があることが品質を保証するわけでもありません。あくまで信頼性を測る一つの材料として、実績の中身や体制とあわせて判断しましょう。
設計を担う会社では、建築士の在籍や建築士事務所の登録が、設計・監理の体制を知る手がかりになります。一級建築士などの名簿は日本建築士会連合会のウェブサイトで、建築士事務所の登録簿は各都道府県の建築士事務所協会で確認できます。必要となる資格や登録は工事の内容によって異なるため、「資格があるか」に加えて、「誰が設計・監理を担当するのか」を確認することが大切です。
相見積もりは、価格を下げるための交渉ではなく、同じ条件で提案と見積もりを比べ、納得できる一社を選ぶための手順です。次の流れで進めると、比較の精度が上がります。
1社だけ極端に安い見積もりが出た場合は、内容の抜けがないか慎重に確認しましょう。金額差の理由を丁寧に説明してくれる会社は、工事が始まってからの説明も丁寧なことが多く、比較の大切な判断材料になります。
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設計の打ち合わせで、どんな質問と回答が交わされているか(質問集・議事録)を公開しています。要望書づくりの参考になります。
飲食店など、営業に許可や届出が必要な業種では、手続きの段取りも会社選びの観点になります。たとえば保健所の営業許可は、施設の工事に入る前に図面を持って事前相談を行い、施設基準を確認するのが基本の流れです。また、店舗を新しく使い始めるときは、管轄の消防署への届出が必要になる場合があります。東京消防庁の案内では、防火対象物使用開始届出書は使用を始める7日前までに届け出るとされています。届出の要否や時期は自治体によって異なるため、こうした事前相談・届出に慣れている会社かどうかも、面談で確認したいポイントです。
🏛 公式情報 東京消防庁
防火対象物使用開始届出書の届出時期(使用開始の7日前まで)や、対象となる場合が案内されています。届出の取り扱いは自治体によって異なるため、物件所在地の消防署にご確認ください。
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美容室の内装費用を、予算別に比較しています。見積書の見方と、抜けを避ける比較手順も紹介しています。
💇 【美容室の内装費用完全ガイド】予算300万・500万・1000万円でどう変わる?想像以上の仕上がりにするための業者選び
ヒアリングが少ない、内訳を示さない、契約を急がせる。こうしたサインが重なる会社は、慎重に見極めましょう。比較で避けたい5つのサインは次のとおりです。
もちろん、当てはまるからといって直ちに避けるべきとは限りません。理由を聞いて、納得できる説明があるかどうかで判断しましょう。
店舗の設計・施工の現場では、契約前の打ち合わせでコンセプトと優先順位をすり合わせておくことが、その後の設計の精度を大きく左右します。また、現地調査で電気容量・給排水・空調・排気の状態や搬入経路を確認しておくと、着工後の追加費用や工期のずれを防ぎやすくなります。会社を比べるときも、こうした「見えにくい部分」をどこまで説明できるかが、実力を見極める手がかりになります。
🏢 リクテカデザインの実績・知見
この記事は、店舗・オフィスの設計・内装をはじめ、住宅リノベーション、ビル改修・外構工事、フローリング・壁紙張り替えまで手がける、株式会社EST•FLOの設計・施工の視点でまとめています。
【対応領域】店舗の設計・内装/オフィスの設計・内装/住宅リノベーション/ビル改修・外構工事/フローリング・壁紙張り替え
最初に「設計のみを担う会社」「施工会社」「設計施工一括の会社」のどのタイプが自店に合うかを決め、そのうえで、コンセプトの理解力・集客を意識した設計・実績の中身・体制・見積もりの透明性・法規や届出への対応・工程管理とアフター対応の7つの軸で、3〜4社を同じ条件で比較するのがおすすめです。
どちらが良いかは、何を最優先にするかで変わります。世界観の作り込みや、費用の妥当性を比較して決めたい場合は設計を専門にする会社、コストとスピードを優先し方向性が固まっている場合は施工会社、設計から施工まで一社に任せたい場合は設計施工一括の会社が、それぞれ合いやすい傾向があります。
一般的な目安として、3〜4社程度に同じ条件で依頼すると比較しやすくなります。社数を増やしすぎると打ち合わせの負担が大きくなり、条件の伝え方にもばらつきが出やすくなるため、事前にタイプを絞り込んでから依頼するのがおすすめです。
国土交通省の説明では、建築一式工事以外の工事は、請負代金が500万円未満(消費税を含む)の軽微な工事のみを請け負う場合、建設業許可は不要とされています。許可の有無は信頼性を測る材料の一つですが、それだけで実力は判断できません。契約金額が500万円以上になりそうな場合は、許可の有無と許可番号を確認しましょう。
件数の多さだけでは判断できません。自店に近い業態・坪数・予算帯の事例があるか、課題に対して何を工夫したかが説明されているか、開業後の状況にまで触れているかなど、実績の「中身」を確認することが大切です。
ターゲットとなるお客様像、客単価、席数や回転数の想定、営業時間、お客様に来店してもらう経路(通りがかり・SNS・口コミなど)、参考にしたい店舗の写真を伝えると、動線・入口・照明・席配置といった集客に関わる設計に反映されやすくなります。
実力派の店舗設計会社は、コンセプトを言語化して図面に落とせること、集客の動線まで設計に組み込めること、見積もりと進行が透明であることの3点で見極められます。まず設計のみ・施工会社・設計施工一括のどのタイプが自店に合うかを決め、7つの比較軸で3〜4社を同じ条件で比べましょう。実績は件数ではなく中身を、許可や登録は公的な情報で確認するのが確実です。
まずは依頼先診断で、合いやすいタイプを確認してみてください。理想のコンセプトが固まりきっていない段階でも、ご相談いただけます。店舗設計の進め方や会社選びのご相談は、お問い合わせフォーム、またはお電話(0120-703-839)からどうぞ。
