美容室の内装設計で最も気になるのは「費用がどのくらいかかるのか」という点ではないでしょうか。
特に初めて開業される方にとっては、「何にどれだけお金がかかるのか」「どこまで妥協していいのか」がわからず、不安も大きいと思います。
この記事では、「美容室の内装設計にかかる費用」に関する情報を、300万円・500万円・1000万円という予算別の事例を紹介しながら、費用相場と内訳を徹底解説します。
さらに、スケルトンと居抜きでの費用差、失敗しない業者選びのポイントについても詳しく解説しています。
コストを抑えながらも、お客様に「また来たい」と思わせる美容室に仕上げるために、ぜひ最後までご覧ください。
美容室の内装にかかる費用は、物件の状態や工事内容、こだわりの度合いによって大きく異なります。
特に初めての開業では、「一体いくら用意すればいいのか」「この金額でどこまでできるのか」という疑問が尽きません。
ここでは、坪単価や美容室の内装費用の内訳について詳しく見ていきましょう。
美容室の内装費用は、一般的に「坪単価×店舗の広さ」で概算されます。
相場は20万円〜60万円/坪と幅があり、以下のように分類されます。
20〜30万円/坪:既存設備を活用したシンプルな居抜き内装。必要最低限の機能とデザイン。
30〜45万円/坪:標準的なスケルトン工事や、適度にこだわったデザイン設計。
45〜60万円/坪:高級感を重視したデザインや、水回り移設などフルオーダー仕様。
このように、同じ広さでも目指す店舗の完成度によって費用が変わる点に注意しましょう。
費用を決定づける要素は以下のように分かれます。
設備工事(配管・電気・エアコン・ボイラーなど):全体の30〜50%を占めることもあります。
内装仕上げ(床・壁・天井など):素材や施工のグレードで変動
造作工事(カウンター・収納・セット面など):オーダー家具ほどコスト増
照明・ミラー・什器:デザイン性と予算のバランスが重要
この中で、水回りの移設や特注造作は最も費用を押し上げやすい項目です。
美容室の内装費には、基本的に以下のものが含まれます。
解体・廃材処分費
設計・デザイン費(別途の場合も)
施工費(設備・造作・仕上げ)
工事管理費用
一方、以下のものは含まれないことが多いです。
シャンプー台やセットチェアなどの美容機器
サイン(看板)工事
外装工事
消耗品やインテリア雑貨
見積もり時には何が含まれているか必ず確認し、追加費用の有無もチェックしましょう。
美容室の内装費用は予算によってできることが大きく異なります。
ここでは300万円、500万円、1000万円という3つの価格帯で、どのような内装が可能になるのかを具体的に解説します。
これにより、ご自身の開業イメージと費用感をすり合わせやすくなるでしょう。
300万円という予算でできる内装の多くは、居抜き物件を活用した最小限の改装です。
既存設備が使える前提で、内装の化粧直しや什器交換などが中心となります。
壁紙や床材の貼り替え
ミラーやシャンプー台の交換(一部のみ)
照明の調整や一部造作家具の設置
あくまでも「最低限のリニューアル」で、豪華な造作や水回りの移設は難しいですが、センス良く仕上げることは可能です。
500万円の予算があると、スケルトン物件の内装にも対応できるようになります。
デザイン性と機能性のバランスを重視した内装が可能となり、次のような施工内容が含まれます。
新規カウンターやセット面の造作
美容室として必要な動線設計と施工
トイレや洗面台の刷新、水回りの一部再配置
店舗サインや間接照明など、印象づくりへの工夫
内装の「美しさ」と「働きやすさ」の両立を目指す層に向いた予算帯です。
1000万円の内装予算がある場合は、理想通りの美容室をほぼ完全に実現できる価格帯です。
特に設計・施工を一貫して任せることで、空間の一体感とクオリティを高めることができます。
フルオーダーの造作家具
シャンプールームの完全個室化や音響設備
水回りの大幅な移設と床上げ工事
外装との統一感を意識したデザイン設計
競合と差別化できる店舗ブランディングを目指すなら、この予算感が一つの目安になります。
美容室の開業では、物件の状態が内装費用に大きく影響します。
「スケルトン」と「居抜き」という2つのタイプには、それぞれメリットとデメリットがあり、費用にも大きな差が出ます。
この項では、各物件の特徴と費用感、選び方のポイントを詳しく解説します。
スケルトン物件とは、コンクリートむき出しの何もない状態の物件を指します。
自由な設計が可能ですが、その分設備も内装もすべて一から構築する必要があり、コストが高くなります。
坪単価:30〜70万円
設備:配管、電気、水道、換気など全て新設
工期:2〜3ヶ月程度かかるケースも
また、建物の構造制限や法令対応などにも配慮が必要です。
居抜き物件は、前テナントの内装や設備が残された状態です。
設備や配管を再利用できる場合は、費用を大幅に抑えることができます。
坪単価:20〜50万円
改修範囲:壁紙貼り替え、照明交換、什器一部交換などが中心
工期:1ヶ月前後と短縮可能
ただし、設備の劣化や汚れ、使い勝手を事前に見極める必要があります。
どちらを選ぶべきかは、次の基準で判断するとよいでしょう。
自由に内装設計をしたい→スケルトン
コスト重視で早く開業したい→居抜き
また、居抜き物件であっても、「実はスケルトンと同じくらい費用がかかる」場合もあります。
これは、既存設備の状態が悪かったり、全てやり直す必要がある場合です。
事前に内覧+業者による現場調査を行うことで、後のトラブルを避けられます。
美容室はサービス業であると同時に、空間を通じて「ブランドの世界観」を伝える場でもあります。
内装設計によってお客様の第一印象、リピート意欲、滞在時間までもが左右されるのです。
ここでは、内装が与える影響とその工夫について、業者の視点から解説します。
リピート率の高い美容室には、共通して「安心感」「清潔感」「特別感」があります。
こういった「雰囲気」は内装設計によって演出することができます。
カラーリングを落ち着いたトーンで統一し、安心感を演出
床や壁などの汚れが目立ちにくく、掃除しやすい素材を選定
セット面や受付周りに印象的な照明やディスプレイを配置
このような工夫が、「居心地の良さ」を生み出し、また来たいと思わせる要因になります。
美容室では「動線の良さ」が、施術者の作業効率だけでなく、お客様の快適さにもつながります。
受付→待合→カット→シャンプー→お会計の流れをスムーズに
移動時の視線や人の交差を考慮した設計
セット面の間隔を広めに取り、圧迫感を与えない工夫
さらに、BGM、アロマ、照明などの演出を含めた「五感で感じる快適さ」>が、顧客満足度を高めます。
内装の印象を決定づける要素として、照明・色・素材の選定は非常に重要です。
照明:自然光を活かしつつ、カラーや顔色がきれいに見える色温度の調整
色彩:店舗のコンセプトに沿ったカラーコーディネート(ナチュラル・ラグジュアリーなど)
素材:木目調、コンクリート打ち放し、金属などを組み合わせて空間にリズムをつける
これらの要素を設計段階でビジュアル化(パースや3D)することで、完成後のギャップを防ぎましょう。
美容室の内装設計は、施工費用が大きく、失敗が許されない投資です。
理想の空間を実現するには、信頼できる業者との出会いと、費用に関する適切な交渉が不可欠です。
ここでは、業者選びと見積もり交渉で失敗しないためのポイントを紹介します。
美容室に特化した内装業者は、動線や機器配置、客層に合ったデザイン提案ができるのが強みです。
選ぶ際は、以下の点に注目してください。
過去に手掛けた美容室の施工実績が豊富か
スタイリスト目線で使いやすさの提案ができるか
アフターフォローやメンテナンス体制が整っているか
また、ホームページやSNSで実例写真を確認し、自分のイメージに近いデザインを得意としているかも判断材料になります。
見積もりを受け取ったら、以下の点を必ず確認しましょう。
内訳の明細が詳細に記載されているか(一式表記は要注意)
見積書の中で「除外されている工事」がないか(例えば看板工事や設備機器)
追加工事の発生条件と金額目安(曖昧な契約は後トラブルに)
これらをチェックすることで、後から「思ったより高かった」という事態を防げます。
良い内装業者は、「お客様の理想を引き出すヒアリング力」と「具体的に形にする提案力」を兼ね備えています。
そのため、打ち合わせ段階での対応が最も重要です。
イメージが曖昧でも具体的な形にしてくれるか
パースやサンプルで完成像を事前に見せてくれるか
予算に応じて「できること・できないこと」を明確に伝えてくれるか
この項目を普通にこなす業者であれば、たとえ予算が限られていても、「想像以上の仕上がり」を実現してくれる可能性が高いです。
美容室の内装設計は、費用のかけ方次第で印象や集客力が大きく変わります。
予算が300万円でも工夫次第で魅力的な空間を作ることは可能ですが、費用が増えるほど設計や設備に自由度が増し、理想に近づけることがわかりました。
スケルトンと居抜きでは費用の構成も異なるため、物件選びの段階から内装費を意識することが重要です。
また、お客様に選ばれる美容室にするためには、空間の快適さやデザイン性、そして動線設計なども重視すべきです。
信頼できる内装設計の業者と出会い、しっかりとヒアリングしながら、自分の理想に合った内装を実現することが成功のポイントです。
この記事が、後悔のない美容室づくりの一助になれば幸いです。