オフィスの雰囲気を変えたいけれど、「業者に頼むのは予算的に難しい…」と感じたことはありませんか?
そんなときに注目されているのが、自分たちで行うオフィスのDIY内装です。
実は、工夫次第でコストを抑えながら、社員が働きやすくなる空間を作ることもできます。
とはいえ、DIYには「やったほうが良いこと」と「やらないほうが良いこと」があるのも事実です。
この記事では、オフィスのDIY内装にかかる費用の目安や、失敗しないためのポイントをわかりやすくお伝えします。
コストと安全のバランスを取りながら、自分たちらしいオフィスづくりに取り組んでみましょう。
オフィスのDIY模様替えは、費用を抑えながら自由に空間を変えられるという魅力があります。
しかし一方で、見落としやすいリスクや手間もあるため、メリットとデメリットを事前に把握することが大切です。
ここでは、実際に中小企業がオフィスをDIYで模様替えする際に直面する代表的なポイントを整理してみましょう。
オフィス内装の大きな魅力の一つが、コストの大幅な削減が可能になることです。
業者に依頼すれば数十万円かかるような壁の塗装や家具の配置替えも、DIYなら材料費だけで済む場合があります。
たとえば、ペンキの塗り替えを業者に頼むと約5〜10万円かかるところを、自社で実施すれば1万円程度の材料費で済みます。
また社員の協力を得ることで、プロジェクトとしての一体感が生まれるケースもあり、社内のモチベーション向上にもつながります。
このように、費用面とチームビルディングの両面でメリットがあるのがDIYの強みです。
DIYのもうひとつの特徴は、自分たちのペースで作業が進められる自由さです。
業者のスケジュールに左右されず、週末や業務の空き時間を使って段階的に進行できるのは中小企業にとって嬉しいポイントです。
ただし、自由度が高い分だけ、施工の仕上がりや安全面のリスクも自己責任となります。
たとえば塗料の臭いや換気対策、工具の扱いに不慣れだと、社員の健康や安全を脅かすおそれもあります。
計画性と適切な管理が必要になる点は、見逃せません。
実際にあった失敗例として多いのが、「思ったより仕上がりが雑だった」「レイアウトを変更したが動線が悪くなった」といった声です。
見た目を優先してパーテーションを設置した結果、エアコンの効きが悪くなったり、照明が暗くなったりすることも。
また、床材や壁材を自己流で施工した場合、数ヶ月で剥がれたり、退去時に原状回復費が高額になったりすることもあります。
このような失敗を防ぐためには、事前の計画と専門的な情報の収集が不可欠です。
DIYは自由で楽しい反面、長期的な視点での設計と判断が重要となります。
DIYによるオフィス内装は、業者に依頼する場合と比べて大幅に費用を抑えられます。
とはいえ、**「実際にいくらかかるのか」「どの部分にお金をかけるべきか」**といった点は、計画の成否を分ける重要なポイントです。
この章では、DIY内装にかかる費用の相場感と、無理なくコストを抑えるためのコツをご紹介します。
中小企業が行うDIY内装の費用は、内容や規模により大きく異なりますが、1ブロックあたり3〜10万円程度が一般的です。
たとえば、2〜3名分のデスクエリアの模様替えなら、以下のような内訳が想定されます。
壁紙の貼り替え:1万〜2万円(材料費)
デスク配置変更:無料(社内作業)
パーテーション設置:2万〜3万円(既製品購入)
観葉植物・小物類:5,000円〜
このように、最低限の材料やアイテムだけなら数万円で模様替えが可能です。
逆に床材の貼り替えや照明の変更など、難易度の高い作業は無理せず業者の見積もりを取りましょう。
費用を抑えるには、コスパの良い資材選びがカギとなります。
おすすめは、ネット通販やホームセンターで入手できる以下のようなアイテムです。
壁紙シール:1ロール1,500円前後で貼って剥がせるタイプも人気
吸音パネル:1枚2,000円〜で騒音対策に最適
組み立て式パーテーション:1枚5,000円程度で施工不要
また、工具についても、インパクトドライバーやカッターなど最低限のものを共有して使えばコストを抑えられます。
作業頻度が少なければ、レンタルサービスの活用もおすすめです。
DIYの最大のポイントは、「全部自分でやらない」ことです。
すべてを自分たちでこなそうとすると、時間・仕上がり・安全面で後悔することもあります。
たとえば、簡単な壁の装飾や家具の移動は自社で行い、電気配線や床の張替えなどリスクの高い作業は業者に依頼するのが賢明です。
費用の全体感を掴んだうえで、DIYとプロの使い分けをすることで、効率よく理想のオフィスに近づけることができます。
「自分でやれる」「誰かに頼むべき」その判断が、DIY成功の第一歩です。
オフィスのDIYは、初めての方でも挑戦しやすい一方で、見落としがちなポイントが失敗の原因になることもあります。
この章では、特に初心者が気をつけるべき5つの注意点をピックアップして解説します。
どれも小さなことのようでいて、仕上がりや安全性に大きな差を生む重要なポイントです。
まず最も重要なのは、安全管理の徹底です。
DIYとはいえ、ハシゴ作業や工具の使用が伴う場面もあり、転倒やケガのリスクはゼロではありません。
業務時間外に作業を行う際は、労働災害に該当するかの確認も必要です。
たとえば社員が作業中にケガをした場合、業務として認められれば労災保険の対象になりますが、そうでなければ自己責任扱いになる恐れもあります。
万が一のために、事前に社労士や保険会社に相談してリスクを把握しておくことが安心につながります。
DIYだからといって、自由にすべてを変更して良いわけではありません。
オフィスが賃貸であれば、原状回復義務があるため、床や壁の施工には大家や管理会社の許可が必要な場合があります。
また、照明の増設やコンセントの追加などは、電気工事士の資格が必要な作業に該当することも。
法律違反になるリスクもあるため、専門領域に関わる施工は自己判断せず、必ず確認を取るようにしましょう。
知らなかったでは済まされない点なので、特に注意が必要です。
意外と見落とされがちなのが、レイアウト変更による空調・照明・配線の影響です。
パーテーションを設置した結果、エアコンの風が届かなくなったり、照明が一部暗くなったりするケースが多くあります。
また、配線の整理を怠ると、足元がごちゃごちゃになり、つまずき事故や火災リスクの原因にもなりかねません。
人の動き(動線)にも配慮しないと、通路が狭くなって業務効率が落ちる可能性もあるため、事前にレイアウトのシミュレーションをしておきましょう。
見た目と実用性のバランスを取ることが大切です。
DIYでのオフィス模様替えは自由度が高い反面、「ここまでなら大丈夫」「これは危険」といった判断が難しいことがあります。
無理な作業はトラブルの原因となるため、DIYの範囲を見極めることが成功のカギです。
この章では、DIYでできること・できないことを具体的に整理していきましょう。
DIYで比較的取り組みやすいのは、設置型・組立型のアイテムの導入やレイアウト変更です。
たとえば、既製品のパーテーションの設置、カラーボックスを使った収納づくり、置き型の間接照明の導入などは、安全かつ簡単に実施できます。
また、デスク配置の変更や、観葉植物・アートパネルの導入といった「装飾系」もDIYの得意分野です。
こうしたアイテムは専門知識がなくても扱えるため、安心してチャレンジしやすいのがポイントです。
まずはこうした「低リスクな範囲」から手をつけるのがおすすめです。
一方で、床材・天井材・壁紙の本格的な施工はDIYの難易度が高い領域です。
材料費は抑えられるものの、カットや施工に精度が求められ、仕上がりが不均一になるリスクが高いため注意が必要です。
特に、接着剤を使うタイプの施工では誤った施工が剥がれや浮き、シミの原因となり、結果的に高額な補修費用が発生することもあります。
こうしたリスクを考慮すると、見た目や耐久性を重視する部分は、業者に任せる方が長期的にはコスパが良くなる可能性が高いです。
プロとの役割分担が、DIY成功のポイントです。
DIYで自由にレイアウトや装飾を行っても、仕上がりの質が低ければ社員の満足度は下がる可能性があります。
たとえば塗装ムラが目立つ壁や、すぐに壊れそうな収納棚は、不快感や不安感の原因になります。
「見た目を整える」だけでなく、使い勝手・耐久性・清掃性といった機能性の観点も重要です。
実際に働く社員の目線で「この内装はストレスなく使えるか?」を考えることが、満足度アップにつながります。
DIYであっても、プロ品質に近づける工夫が評価を左右します。
DIYに挑戦することは費用削減に繋がりますが、すべてを自分たちで行うことが正解とは限りません。
近年では、DIYと業者による施工を組み合わせた「ハイブリッド型」の内装設計が注目されています。
この章では、安全性とコストパフォーマンスを両立するための賢いハイブリッド活用の方法をご紹介します。
まず大切なのは、「DIYでできる範囲」「業者に依頼する範囲」を最初に明確にすることです。
DIYは小回りが利きますが、計画の全体像が曖昧だと、作業が無駄になったり費用がかさむこともあります。
たとえば、壁面の装飾や家具の移動はDIYで対応し、照明の増設や電気工事は業者に依頼するという形が一般的です。
このように役割分担をすることで、作業の重複や事故のリスクを減らすことができます。
最初の段階で「設計・予算の全体像」を業者に相談することで、より合理的な進め方が可能になります。
一般的な判断基準としては、「構造に関わるもの・資格が必要な工事」は業者に任せるのが基本です。
具体的には以下のような作業が該当します。
電気配線やコンセントの増設
天井や床の解体・張り替え
換気設備・空調設備の調整
防災・避難経路の改修
こうした工事は法令や安全基準に関わるため、無許可で手を加えると違法行為となるリスクもあります。
逆に、配置換えや装飾などの非構造的な作業はDIYで対応可能です。
「見た目を変えるだけ」なのか、「建物に手を加えるのか」この点を基準に判断しましょう。
ハイブリッド型を成功させるには、信頼できる業者との連携が不可欠です。
そのためには、見積もりの段階で「DIY予定箇所」「依頼する箇所」を正直に伝えることが重要です。
最近では、DIYと連携できる業者も増えており、「設計・監修のみ依頼して、施工は自社で」という形も可能です。
こうすることで、全体の予算を抑えつつ、プロのアドバイスを受けながら高品質な内装が実現できます。
DIYの柔軟さと、業者の専門性を上手に使い分けることで、費用対効果の高いオフィスが完成します。
オフィスのDIY内装は、コストを抑えながら理想の空間をつくれる魅力的な選択肢です。
特に中小企業にとっては、自由度の高さやチームで取り組む達成感など、多くのメリットがあります。
しかし一方で、安全面や法令への配慮、仕上がりの質といった注意点も見逃せません。
すべてを自分たちで行うのではなく、リスクの高い作業や専門性が必要な部分は業者と連携するハイブリッド方式を検討すると安心です。
まずは自社の課題や予算に合わせて、「DIYでできること」「業者に任せること」を整理してみましょう。
正しく判断しながら進めれば、無理なく、社員にも喜ばれる快適なオフィスを実現できますよ。