オフィスの内装設計料の相場は、工事費と混同されやすい部分です。
実際には、設計図を描く作業だけでなく、打ち合わせ・法規確認・現場監理までを含む場合があります。

しかし、どこまでが設計料に含まれ、どこからが追加費用になるのかは、業者によって異なります。
特に10坪、30坪、50坪と規模が変わると設計工数や監理回数が増え、費用差も大きくなります。

この記事では、規模別の設計料目安課金方式の違いを分かりやすく解説します。
さらに、発注方式ごとの注意点見積の妥当性チェックも紹介しますので、初めての方でも安心して判断できるようになります。

内装の「設計料」は何に対して支払うのか|設計・設計監理・申請の境界

内装の設計料は、単に図面作成費ではありません。
基本設計、実施設計、現場監理、法規確認など、オフィスが完成するまでの計画と調整すべてが含まれます。
工事費とは別に設定されるため、設計料の内容を理解することが見積比較の第一歩です。

基本設計・実施設計・設計監理の役割

基本設計はレイアウトやゾーニングを決める段階です。
実施設計では電気・空調・内装仕様など細部の図面を作り込みます。
設計監理は現場で設計通りに工事が行われているか確認する重要な工程です。
これらを分けて契約するか、まとめて契約するかで設計料の総額は変わります。

法規対応と申請費:誰が・どこまで・いくら

消防・建築確認・防火区画などの法規対応が必要な場合、申請図面作成や役所協議の手間がかかります。
これらは設計料に含まれることもあれば、別途見積のケースもあります。
契約前に「申請費込みか別か」を明確にしておきましょう。

3D/BIM・モックアップ:費用計上と効果

最近は3DパースやBIMモデルを用いた設計が一般的です。
完成イメージを事前に共有できるため失敗が減りますが、制作工数が増える分、設計料が高くなる傾向があります。
必要な範囲を決めて依頼することで、コストをコントロールできます。

3つの課金方式(率・坪単価・固定・混合)とメリット/デメリット

内装の設計料は、率(%)方式・坪単価方式・固定(パッケージ)方式、さらに複数を組み合わせた混合方式の4パターンが中心です。
それぞれ特徴が異なり、案件規模や変更の有無によって向き不向きがあります。
選び方を誤ると、思わぬ追加費用が発生することもあるため、契約前に確認しておきましょう。

%方式:工事費×◯%の相場と注意点

もっとも一般的なのが、工事費に対して10〜15%前後をかける%方式です。
工事費が増えれば設計料も増えるため、デザイン性を高めるほど設計料が高くなる傾向があります。
工事費の見積が確定していない段階で契約すると、最終的に設計料が予想より高くなるリスクがある点に注意しましょう。

坪単価方式:規模が小さいほど割高になる理由

坪単価方式は、1坪あたりいくらで設計料を計算する方法です。
10坪など小規模案件では基本的な作業量が一定のため、坪単価が高めに設定される傾向があります。
規模が大きくなると坪単価は下がり、総額としては割安になることが多いです。

固定/混合方式:図面枚数・修正回数で差が出る

あらかじめ金額を固定する方式は、予算が立てやすいメリットがあります。
ただし、図面枚数や修正回数が制限されている場合が多く、回数超過すると追加料金が発生します。
混合方式では、基本設計は固定、実施設計や監理は%方式など柔軟に設定されます。

規模別の設計料目安(10・30・50坪)と用途差|工事費ではなく「設計」に限定

設計料は規模に比例して増えますが、単純に面積×単価では決まりません。
ゾーニングの複雑さや会議室数、法規対応の有無によっても工数が変わるためです。
ここでは**「設計だけ」の費用レンジ**を規模別にご紹介します。

10坪:最小構成の設計料レンジと落とし穴

10坪程度では設計料の下限は約20〜30万円が目安です。
しかし面積が小さくても、消防申請や細かい造作家具を含むと設計時間は増えます。
「小さいから安いはず」と思い込みすぎると、追加費用で結果的に高くなるケースが多いです。

30坪:ゾーニングと会議室設計で変わる工数

30坪では執務エリアに加え、会議室や集中ブースを設けるケースが増えます。
そのため配線計画や空調負荷計算の工数が増え、設計料は40〜70万円程度になることが多いです。
特に空調や防災設備の調整に手間がかかると、監理費用も上乗せされます。

50坪:多室構成・設備調整・監理強化の費用感

50坪クラスになると、複数の会議室や倉庫、ラウンジなど多用途スペースを含むことが一般的です。
設計士はBIMや3Dパースを駆使して複数案を比較し、動線・法規を確認するため工数がさらに増えます。
その結果、設計料は70〜120万円前後になることも珍しくありません。

見積の妥当性を見抜く:範囲・成果物・変更条件・支払いと著作権

設計料の見積を比較するときは、金額だけで判断してはいけません。
何が含まれ、どの時点まで対応してくれるかを明確に確認することで、後の追加請求を防げます。

成果物定義チェックリスト(図面・3D・仕様書)

契約前に「何枚の図面が含まれているか」「3Dパースは何案まで作成されるか」「仕上げ表や家具リストは含むか」を確認しましょう。
成果物が不明確だと、後で追加費用になることがあります。
チェックリストを作成し、業者ごとに条件を揃えると比較がしやすくなります。

変更/追加の課金条件と想定問答(Q&A)

打ち合わせ後のレイアウト変更やデザイン変更は、何回まで無料かを事前に決めることが重要です。
変更1回につき○円、という形で明記してもらうと安心です。
「ここまでは無料、ここからは有料」という境界線を必ず確認しましょう。
ちなみに当社の3DCAD提案は、クライアント様が納得いくまで何案でも無料です。

支払い・キャンセル・著作権/二次利用の条項例

設計料の支払いタイミング(着手金・中間金・納品後)が明確か確認します。
また、作成した図面や3Dデータの著作権は誰に帰属するのか、他社施工に流用可能かも重要です。
契約時にこれらを明文化しておくことで、トラブルを防げます。

発注方式で設計料はこう変わる|設計施工一括vs設計・施工分離の実務

設計料は、発注方式によっても大きく変わります
設計と施工を同じ会社に依頼するか、別々に契約するかで金額の透明性やコントロールのしやすさが異なります。

設計施工一括の設計料の出所と透明性

設計施工一括方式では、設計料が工事費に含まれて見積に表示されないこともあります。
一見安く見えますが、実質的には工事費に上乗せされているため、設計業務の範囲や工数が見えにくい点がデメリットです。
透明性を重視するなら、設計料の内訳を明細化してもらいましょう。

分離発注の交渉ポイントと管理コスト

設計と施工を別会社にすると、設計料が明確になり比較がしやすくなります。
一方で、施工者との調整コストは発注者側にも発生します。
進捗管理や仕様確認に時間を取られる可能性があるため、担当者のリソースを確保する必要があります。

相見積を揃えるRFPテンプレの必須項目

複数社に見積を依頼する場合は、条件をそろえるためのRFP(提案依頼書)を用意しましょう。
図面枚数、修正回数、納期、申請費、監理回数などを明文化すると、正確な比較ができます。
結果として、コストだけでなく品質面でも最適な業者を選びやすくなります。

まとめ

オフィスの内装 設計料 相場は、単なる図面代ではなく、打ち合わせ・法規確認・現場監理までを含むことが多いです。
設計料は**%方式・坪単価方式・固定方式**など計算方法が異なるため、どの方式かを確認しておくと安心です。

また、10坪・30坪・50坪と規模が変わると設計工数が大きく変動し、費用差も生まれます。
契約前には、成果物の範囲、修正回数、申請費や著作権の扱いまで明確にしておきましょう。

さらに、設計施工一括か分離かによって設計料の透明性が変わるため、自社に合った発注方式を選ぶことが重要です。
条件をそろえて相見積をとれば、無駄なコストを避け、納得感のあるオフィスづくりができます。

オフィスの内装設計はリクテカデザイン

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