テレワークの定着により、オフィス内に個別ブースを導入する企業が増えています。
しかし、実際に設置しようとすると、どれくらいの費用がかかるのか分からず、検討が進まないことも多いのではないでしょうか。
本記事では「テレワークブース導入の費用感と設計時に気をつけるポイント」をテーマに、ブースのタイプ別費用、設計から施工の流れ、見積もりで注意すべき点、さらには助成金情報までを網羅的に解説します。
人事・総務部門のご担当者が安心して導入を進められるよう、設計企業の視点でお伝えします。

テレワークブース導入にかかる費用の相場とは。

オフィス内にテレワークブースを導入する際の費用相場は、ブースの種類や設置規模、内装の仕様によって大きく変動します。
一般的には1台あたりの価格だけでなく、設計費・施工費・付帯設備費などを含めた総費用で比較・検討することが大切です。 ここでは、導入費用の全体像をつかむために、基本的な内訳とポイントを整理します。

オフィス内テレワークブースの価格帯と内訳

テレワークブースは市販のユニット型であれば、1台30万円〜80万円程度が相場です。
この価格には、ブース本体・吸音素材・簡易的な照明・電源・換気装置などが含まれています。
一方で、内装設計と連動させてオーダーメイドで構築する場合、1台あたり80万円〜150万円以上の費用がかかることもあります。
さらに搬入・設置費用や床・壁・天井との調整工事、消防設備対応などが別途必要になるため、総額では100万円前後を見込んでおくと安心です。

ブースのサイズ・素材・機能による価格の違い

ブースの価格は主に「サイズ」「素材」「機能性」で決まります。
– サイズ:1人用、2人用、会議対応型(広さに応じて費用は上昇)
– 素材:防音・吸音材の性能(ウレタン、フェルト、ガラス等)
– 機能:換気・照明・空調・電源・LAN対応などの装備 これらの要素を組み合わせることで、同じ1人用ブースでも30万円と80万円で大きな差が生まれるのです。

内装設計料や施工管理費を含めた総額目安

ブース本体以外にも、内装設計料(設計図面・配置計画など)として10〜15%程度の費用がかかります。
さらに、施工業者による搬入調整・設置管理・既存設備との連動工事なども別途必要で、施工管理費が10〜20万円かかるケースもあります。
例えば1台80万円のブースを設置する場合、設計料と管理費を含めると総額は100万円前後になるのが一般的です。

ブースタイプ別の費用比較と導入効果の違い

テレワークブースには、市販されているユニット型と、内装設計と一体で構築するオーダーメイド型があります。
それぞれに特徴と費用面の違いがあるため、導入目的やオフィス環境に応じて適切な選択が必要です。
ここでは、ブースの種類ごとの費用感と導入後の効果の違いを解説します。

既製品ユニット型とオーダーメイド設計の違い

既製品ユニット型ブースは、工場であらかじめ製造されたものを搬入・設置する方式で、比較的短納期かつコストを抑えられる点が特徴です。
価格帯は1台30万円〜80万円と幅がありますが、一般的にはコスト重視の企業に人気です。
一方、オーダーメイド型は内装設計と連動して、レイアウトやデザインに合わせて施工されるため、柔軟な対応と高い完成度が魅力です。
その分、費用は1台あたり80万円〜150万円超となりやすく、納期も長めです。

防音性・換気性能・照明環境のグレードによる費用差

ブース選定で重視すべき機能のひとつが防音性能です。
一般的な吸音パネルで構成されたタイプでは、周囲の音は遮断しきれず、Web会議中に外音が漏れるケースもあります。
防音ガラスや高密度ウレタンなどを使用したブースは防音性が高くなり、価格も10万〜20万円程度上昇します。
また、換気機能や調光LED照明の搭載もコスト増の要因ですが、社員の快適性と生産性に直結するため、導入価値は十分にあります。

導入目的別に最適なブースタイプを選ぶコツ

例えば、在宅勤務社員の出社日対応としてのブース利用であれば、ユニット型でも充分対応可能です。
一方で、機密性の高い業務や頻繁なオンライン会議が求められる部門では、吸音性・遮音性に優れたオーダー型の方が効果的です。
また、企業のブランディングや空間の統一感を重視する場合も、オーダー設計の方が優位です。
導入目的を明確にし、予算とのバランスを取りながら最適なタイプを選びましょう。

テレワークブース設計で失敗しないための注意点

テレワークブースを導入する際、費用や設計内容だけでなく、使い勝手や社員の働きやすさも大きなポイントです。
導入後に「使いにくい」「稼働率が低い」といった事態を避けるために、設計段階で押さえておくべき注意点を紹介します。

設置スペースと動線確保のバランスを考える

限られたオフィス空間にブースを導入する場合、周囲の動線とのバランスが非常に重要です。
通路が狭くなったり、他の設備と干渉してしまうと、社員の移動や避難時の支障となる恐れがあります。
特に、10㎡以下の小型オフィスでは、ブースの設置位置とサイズに細心の注意を払いましょう。
CADレイアウトや3Dパースで事前に配置を確認することで、導入後のトラブルを未然に防げます。

社員の使いやすさと音環境の快適性を両立

設置したはいいものの、内部が「狭すぎる」「暑い」「音がこもる」などの声が出ると、使われなくなるリスクがあります。
特に音環境は非常に繊細で、反響音やこもり音、周囲のノイズなどがストレスの原因になりがちです。
対策としては、吸音パネルの追加、換気ファンの静音化、天井の高さ確保などが有効です。
快適性を重視する設計は、結果的に社員の利用率・満足度を大きく高めます

デザイン性とメンテナンス性の最適なバランス

近年ではオフィス全体のデザイン性を重視する企業も増えていますが、ブースも内装全体との調和が求められます。
しかし、見た目だけを重視してしまうと、メンテナンスしにくい素材や構造になってしまい、ランニングコストがかさむ恐れも。
防汚性の高い表面材や、分解・再設置が容易な構造を採用することで、長期的なコストパフォーマンスを実現できます。
見た目と機能のどちらかを犠牲にしない、バランスのとれた設計がポイントです。

設計から施工までの流れと期間の目安

テレワークブースを導入する際には、ただ購入して設置するだけでなく、設計段階から施工完了まで一連の流れを把握しておくことが重要です。
スムーズな進行と納期遵守のためには、どの段階で何を決定するかを明確にすることが求められます。

ヒアリングから設計完了までの進め方

導入初期では、内装設計業者によるヒアリングからスタートします。
ヒアリングでは、使用目的、ブースのサイズ、求める機能性、予算などを明確に伝えましょう。
その後、ラフプランの作成、レイアウト図、パース提案などを経て、正式な設計図を完成させます。
通常、この設計プロセスには2〜4週間程度を見込んでおくと安心です。

施工スケジュールと納期の調整ポイント

設計完了後、部材の手配や工程管理に入りますが、納期はブースの種類によって異なります。
– 既製品ブース:在庫があれば最短1週間〜10日で納品・設置可
– オーダー設計:発注から施工完了まで3〜6週間が一般的 また、施工時間は1ブースあたり半日〜1日程度が目安ですが、電源やLAN工事がある場合は追加作業時間も考慮する必要があります。

業者との打ち合わせで確認しておくべき項目

失敗のないブース導入のためには、業者との打ち合わせ時に以下の点を必ず確認しておきましょう。
– 設置予定場所の寸法確認障害物の有無
 – 電源・ネットワーク等の設備要件
– 法令(消防法・建築基準法)上の設置制限 これらを事前に把握しておくことで、工事直前のトラブルや設置後の不具合を防ぐことができます。

テレワークブース導入時に活用できる助成金制度

ブース導入にはまとまった費用がかかるため、助成金制度の活用は費用負担を軽減する有効な手段です。
特に中小企業やスタートアップ企業にとっては、経営リスクを抑えつつ快適なテレワーク環境を整える大きなチャンスとなります。
ここでは、現在活用可能な助成金制度とその概要を紹介します。

中小企業向けテレワーク助成金の概要

厚生労働省が提供する「働き方改革推進支援助成金」など、テレワーク導入を支援する助成金は複数存在します。
これらの制度では、ブース導入を含むテレワーク用設備や内装費が対象となるケースがあります。
助成率は制度により異なりますが、1/2〜3/4の補助が受けられることもあり、最大100万円以上が補助されることも。
ただし、対象となる経費・条件・申請時期には注意が必要です。

助成対象となる内装費・設備費の範囲

助成金の対象となる費用には、以下のようなものが含まれます。
– テレワークブース本体費用 – ブース設置に伴う内装・電気・通信工事費
– 換気設備や照明設置に関する工事費 ただし、インテリア装飾や什器の購入などは対象外とされる場合もあります。
申請前に、経費の詳細が助成金のガイドラインに合致しているかを必ず確認しましょう。

申請時の注意点とスムーズに進めるコツ

助成金は申請書類が複雑な場合が多く、不備があると不採択になるリスクもあります。
以下の3つのポイントを押さえると、申請をスムーズに進められます。
1. 工事前に助成金の申請手続きを済ませる(事後申請不可の制度が多い)
2. 専門家(社労士や内装業者)に申請書類の添削や代行を依頼する
3. 写真・領収書・図面など必要資料を整理・保管しておく 早めに準備を進めることで、制度を最大限に活用できるようになります。

まとめ

テレワークブースの導入は、働き方の多様化に対応する現代のオフィスづくりにおいて、非常に重要な投資です。
費用相場はブースのタイプや仕様により幅があり、導入目的に応じた最適な選択が求められます。
特に、設置スペースや使い勝手、音環境といった運用面の工夫が、社員満足度や業務効率に直結します。
設計から施工、助成金の活用に至るまで、しっかりとした計画と情報収集があれば、予算内で高品質なブース導入が可能です。
ぜひこの記事を参考に、失敗のないテレワークブース設計を進めてください。

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